就労移行支援事業所へ通所
就労移行支援事業所とは
就労移行支援事業所 (Employment support facility) は、障害者や特別なニーズを持つ人々が仕事に従事するためのサポートを提供することで、障害者や特別なニーズを持つ人々が仕事に従事することができるように支援する施設です。また、就労移行支援事業所は、職業訓練や仕事経験を積むことで、障害者や特別なニーズを持つ人々が本当の意味で独立することができるように支援します。
ChatGPTより引用
ChatGPTに質問すると、このように回答されました。
48歳で発達障害(ADHD)と診断され、アルバイトを含めいつも同じような状態になって仕事を辞める事や、対人関係での息苦しさや、物や頭の中の整理ができない事、不注意な点・・・etc 色々「ああ、そうなんだ」と腑に落ちました。
私には一般就労は難しく配慮された環境で再出発しようと思いました。
無理せず自分に出来る事、興味のある事で働く為に学ぶ必要があるかと障害者向けの職業訓練校や施設を見学に行く中、就労移行支援という存在を知りました。
就労移行支援事業所へと考えた理由
- 当時手術後のリハビリ期間だったから
- 失業保険が1年ほどあったから
- 職業訓練校とは違い就職へのサポートがあると思ったから
私が面接や見学、実際に通所した就労移行支援事業所は5箇所です。
見学と面接
事業所A
面接担当者とアポイントをとり面接
今までの職歴や精神疾患についての説明をしてから面接。
「今まで、よくがんばりましたね。辛かったですよね」と言われ涙ぐんでしまいました。
Office(Word・Excel)の参考書が置いてあり、基本、利用者さん達はそれを見ながら自習しているとの事でした。
私は、絵を描いたりする事が好きなので、そちらの方向で考えているということをお伝えしました。
担当者からは「私の中では、もうプランを思いついています」「日商簿記2級をお持ちで経理のご経験がおありなので、そちらの方向でバックアップさせていただきたい」との回答をいただきました。
事務関係がメインの事業所で経験者だから就職しやすい方向へという事が理由だったのですが、注意欠乏による失敗がトラウマになっているので別の事業所を探す事にしました。
事業所B
面接担当者とアポイントをとり面接
今までの職歴や精神疾患についての説明をしてから面接。
物腰柔らかそうな男性職員2名
こちらでは、自分が癇癪を起こしやすく、それも転職を繰り返す原因だという事を話しました。
「そんな風には見えませんね」など言われ困ってる事が伝わらなかったので「コラ!」と怒った時を再現して、こんな感じですと。
キョトンとされた後「うちでは大声を出されると他の利用者さんに迷惑がかかりますので」「何かしら障害を抱えてらっしゃる事はわかりました」とおっしゃられ面接は終了。
「また、ご連絡いたしますから」と最後に言われましたが、連絡はありませんでした。
事業所C
面接担当者とアポイントをとり面接
面接と体験を兼ねて代表者とお話をしました。
こちらはWEB関係が強く、関連会社へ就職が出来るという事が気になり伺いました。
体験ではPCを使用。ブラウザでHTML初学者用の動画を見て実際にソースを書いてみる。
内容はH1タグやpタグで表示させていく感じのものでした。
面接では、勉強に2年弱かけてから就職活動にとの事でした。
失業保険が2年ももたないので、こちらは辞退しました。
事業所D
面接担当者とアポイントをとり面接
面接と体験を兼ねて代表者とお話をしました。
こちらは、PC(Office1など)・ホームページ作成・プログラミング・ドローンパイロットと色々なコースがありました。
ホームページ作成に興味があり、体験させていただきました。
WordPressでプラグインのElementorを使ったWeb作成でした。ものすごく基本からの説明でしたので、個人的にWordPressで作ったサイトを持ってたので、これくらいは出来るのですがと、担当者へ見ていただいた結果、体験では教えていただく事がなくなり時間を潰す形になりました。
住宅ローンがある事や、妻子がいる事などから、ある程度の収入が必要という事、失業保険があるうちに就職したい事をお伝えした結果、WEBより収入が多いし勉強も1年は不要だとプログラミングコースを勧められました。
パソコンは好きで小学生の頃Basicで遊んでた経験から、やってみようと思い通所する事にしました。
事業所E
こちらは、Webデザイン・プログラミングなどエンジニアに特化した事業所
事業所Dから切り替えて通所する事になった事業所
面接は講師の方(企業でiphoneのアプリを開発した経験がある方)
ポートフォリオを見ていただいて、就職活動に使えるレベルなので頑張りましょう。実際の会社へのインターンもありますとの事で通所する事にしました。
通所してみた内容
事業所D
プログラミングの指導は外部のスクールが行うとの事で説明会がありました。
その時の利用者の質問で覚えているのは
Q『年齢について40代でも就職できますか?』
A「年齢は気にしなくても大丈夫」
Q『身体の障害で片手が不自由でタイピングに自信がないですが大丈夫ですか?』
A「指一本で入力すれば大丈夫」
そして、カリキュラムの第一歩で使用するプログラミングゼミというソフトの体験が始まりました。
『プログラミングゼミ』はビジュアルプログラミングを採用。パズルや既成プログラムの組み替え、ゼロからオリジナル作品を制作するなど、基礎から応用、創作まで小学校低学年の子どもたちでも理解しやすく、楽しみながらプログラミングの概念などを習得できるプログラミング学習アプリです。プログラミングの技術的な理解については解説動画をアプリ内で見ることもできます。また、子どもたちが描いた絵をアプリに取り込むことで、絵が自分のプログラムに沿って動くインターフェイスを取り入れており、子どもたちの創作意欲を喚起します。
DeNAサイトより引用
キャラクターを動かして目的を達成する、その指示でプログラミングの考え方(順次・分岐・繰り返し)を学ぶというものです。
そして以下のカリキュラムの説明があり1年かけて学ぶというものでした。
- プログラミングゼミでプログラミングの考え方を学ぶ
- JAVAを学ぶ
- JAVAでポートフォリオを作成
カリキュラムはオンラインで行う形式
質問は週2回(1日数時間のチャットのみ)
質問先は外部のスクールになります
この事業所にはプログラミングについての知識のある職員が1人もいない事に通所してから気づきました。
カリキュラムスタート(プログラミングゼミ)
開始してから数日で1人の男性利用者が怒り出しプログラミングコースを離脱しました。
理由:チャットで質問しても回答を教えてくれないから
スクールによると、考え方は教えますが正解は教えない、考える事が重要との事らしいです。
更に数日後、身体の不自由な方が理解が難しいのと指一本でのタイピングに限界を感じて離脱。
最終的には私を含めて3人だけになり、1ヶ月くらいプログラミングゼミのカリキュラムを行いました。
個人的にはプログラミングゼミは不要かと思ってました。
小学生が学ぶなら良いでしょうが、妻に学んでるのが、これですと胸を張って言えないし、そもそも全員同じレベルからスタートというのが疑問で早くJAVAを教えて欲しいというのが本音でした。
失業保険がある間に学んで就職したいので焦っていました。
JAVAを学ぶ
プログラミングゼミが終了して、JAVAのテキストが配布されました。
テキストを見てPCの環境設定からプログラミングの練習問題をこなして、わからない部分はチャットで質問。
ですが、相変わらず正解は教えていただけないというスタイルは変わらず。
プログラミングの講師を雇うと月40万円くらい費用がかかるから、このスクールにした。質問の回数を週2回より増やすと費用が別途かかるから増やせないという事を後から知り、なんだかなぁという気持ちになりました。
ある日、職員の方が1人の男性を連れてきて「良ければこの方へ質問していただければ」と
誰?職員?とりあえず質問できる環境になったので、カリキュラムはスムーズに進み出しました。
この方は通所する事になった利用者さんでプログラムの知識があるからという事で講師的な事をお願いされたとの事でした。
ポートフォリオ作成
自宅に帰ってからも個人のPCでカリキュラムをこなして3ヶ月程でテキストを終わらせポートフォリオを作成しました。
データベースはMySQL
サーバーはAPATCH
JAVAでMVC形式なWEBアプリケーション
ただ、これを理解できる職員さんがいないので、これで就職活動が出来るレベルなのか不明、就職活動のバックアップといってもハローワークの求人情報を持ってきて、こういう求人があるよと教えていただけるだけで、当時子供が保育園で就労証明が必要になる時期が迫ってきてるしで焦っていました。
考えた結果、ここに居てても何も始まらないのではという結論に。
他の事業所を探してみたところ、インターンがあるITに特化した事業所Dを見つけたので面接と見学へいく事にしました。
事業所E
こちらへ通所しようとした理由
- インターン制度がある(インターン先に就労証明書を書いてもらえる)
- IT業界で働いていた方が指導してくださる。
通所してからの内容①
作成したポートフォリオの手直しを行う
参考書やネットで技術的な事を調べてコーディングして分からない所は講師へ質問するという形でした。
週に1度位、講師の方がプログラミングの講座的な時間を1時間位もうけて開いていました。
講師の方は、フリーランスで案件をこなしている方や、元エンジニアなどプロの方々が揃っていたので技術的なことはすごく頼りになりました。
通所してからの内容②
インターン先へ出勤
といっても、事業所から徒歩1分位のビルで、その部署には利用者さんが数名と事業所の職員さんがいらっしゃり、昼食も事業所の冷凍弁当が運ばれてくるのでインターンというイメージではなかったです。
ですが実際に受注してWEBアプリケーションを納品していたので勉強になると思いました。
私は中途半端な時期に入ったので、納品済みのPHPとJS、HTML・CSSで作成したWEBアプリの仕様書を見ながらコーディングをしたり、laravelへ移植するなどの自習を指示されていました。
就職支援
こちらでは1件WEB制作会社への面接を斡旋していただきました。
面接は私ともう1人、2人で職員さんが同行していただけました。
仕事内容の説明を受け、持参したPCでポートフォリオを見ていただき説明をしました。
採否のご連絡を受ける前に、事業所と関係なく転職サイトで見つけたWEB制作会社へ就職する事となりました。
通所してみた感想
個人的には、事業所から就職できたわけではありませんでしたが、ここで学んだ事がその後の就職活動や、仕事に間接的にですが役立てる事が出来ているので無意味ではなかったと思います。
学習方法について
学習方法については、どの事業所も自習が基本ですので、学校のように事業があるというイメージでは無かったです。
大体の1日の流れは
- 午前の好きな時間に通所
- 参考書を見ながら自習
- 昼食(冷凍のお弁当)が支給
- 午後から自習
事業所によっては朝に体操したり、帰りに掃除をしたりという事もあります
あと参加は自由ですが認知行動のプログラムもありました。
個人的に感じた問題点
ひとつの建物、ひとつの部屋で
一般的な学校でも好き嫌いや苦手な人がいてるのは当たり前なのですが、こういった事業所では、より個性が強い人が集まるのでトラブルが多く、目に見えない水面下での対人関係のストレスが発生しやすい。
- 貧乏ゆすり
- じっとしてられなく歩きまくる
- 私語が止まらない
- 相手の距離感がわからない
- 怒り出す
- 不安で泣き出す
- 光が苦手
- 音が苦手
このような特性を持つ方々をひとつの建物、ひとつの部屋で障害者という一括りでまとめてしまう。まとめてしまわなければいけないような現状に対応できる職員さんや設備が不足している気がしました。
アフターケアについて
事業所の紹介ではない就職先ですが、就職してからも技術的に困った事があれば1〜2ヶ月はメールなどで助けていただきました。
数ヶ月後に卒業生的な立場で就職してからのお話をしてほしいと依頼がありました(コロナが蔓延してきたので中止になりました)
その後、近況確認の連絡があり、丁度退職しようと考えてる時期で、その事を伝えると1件募集しているところがあるのでどうですか?という事でスキルシートの提出をさせていただきました。ただ採否のご連絡がなく、そこから音信不通になりました。
就労移行支援の選び方
もし、私がもう一度就労移行支援を利用するならチェックする事例です
- 講師の方がいらっしゃる場合は、その方の実績(資格や経験)
- 通所者の特性に合わせた配慮(席割りや机の仕切り、体調不良の時に休める場所の有無)
- 事業所からの就職へのサポートの有無や実績
- 就職してからのサポートについて(就職後の対人関係や業務についていけてるか等の環境の確認)
- 実際に就職された方の事(どのように、どのような方が、どんな企業へ)
就労移行支援は基本的に自習なので自宅でも可能なのですが、自己管理が苦手で不規則な生活になりがちな方々には規則正しい生活リズムの形成や、他にも同じような特性を持つ仲間がいるという事による孤独感の回避などメリットもあり、サポートが充実している事業所であれば非常に有益な福祉サービスだと思います。
真剣に障害者の働きたい気持ちに向き合っている事業所と、障害者ビジネスとして障害者の貴重な時間を搾取するだけの事業所があるのが現実ですので、面接やネットの情報などでご自身の未来に繋がるか吟味した上で通所する方が良いと思います。
ちなみに私が通所していた事業所Dは私が退所してから1年経たずに閉鎖されました。
学校のように教えてもらいたいという場合は、授業という形式の職業訓練校の方が良いとも思います。